過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:48:59.82 ID:BVhJwVsq0
千世が今までいつも笑顔で過ごせたのは、優しく引っ張ってくれる雪美がいて、千世と以上にのんびりしていてたまにポカをする華那がいて、優しくて思い遣りのある古都美がいたからだ。
華那がもうこの世にいないだなんて信じられない。
きっと、どこかにいる雪美や古都美も千世と同じように悲しんでいることだろう。
雪美ちゃん…古都美ちゃん…元気しとるやろうか…
なあ、2人は、ちゃんと今笑っていられてるんかなぁ…?
「…おーい、千世?」
名前を呼ばれ、千世は我に返って視線を空から地上へと戻した。
目の前には吊り上がった葉瑠の瞳があり、思わず「おお…!」と声を漏らした。
「千世、どうしたのさ、急にぼーっとしちゃって。
…あ、もしかして雲がわたあめみたいだなーって思ってたんじゃないだろうね?」
「うえぇ? ちゃうちゃう、そんなん思ってへんよー」
「どーだかねー、荻野ちゃんは第二のお菓子好きキャラ疑惑があるからなー」
「ちゃうよー、わたあめは好きやけどもー」
優人は少しずつ調子を取り戻してきたようで、いつも教室で騒いでいた時のような軽口が出るようになっていた。
千世をネタにして笑顔を取り戻してくれるのなら、いくら笑われたって構わない。
それが引っ張る力がない千世にできる数少ないことだから。
なあ、雪美ちゃん、古都美ちゃん…
うちは、笑っとるよ、元気にしとるよ…2人はどない?
「…もしかして千世さ、誰か逢いたい人とかいるの?
空に思いを馳せてた…的な?
え、もしかしてもしかすると、好きな人とか?!」
急に葉瑠がテンションを上げて千世に頭突きをしそうな勢いで顔をずいっと近付けた。
そういえば、葉瑠は人の色恋沙汰で盛り上がるのが好きなように見えた。
誰と誰が付き合っているとか、誰が誰を好きだとか――同じグループの子たちや、同じようにそういう話が好きらしい水田早稀(女子十七番)と話しているのを聞いたことが何度かあるし、華那は幼馴染だという川原龍輝(男子五番)との関係を疑われてよく話を聞かれていた。
「ちゃうちゃうー好きな人とかおらんもん。
…雪美ちゃんと古都美ちゃん、元気かなぁって思っとっただけやってー」
葉瑠は顔を離し、俯いた。
きっと、葉瑠も状況のわからない友人たちを思っているのだろう。
特に、教室を出る時に阪本遼子(女子七番)は不機嫌さを顕にして興奮状態だったし、平野南海(女子十四番)は自分で立ち上がることもできない程に憔悴しきっているように見えたので、一層心配しているだろう。
「…じゃあさ、みんなを…探しに行く?」
おずおずといった感じで、優人が声を上げた。
千世と葉瑠の視線を浴びた優人は、へらっと笑みを浮かべた。
「なんかさ、俺ばっかダチの状況わかってばっかでずるい…ってのも変だけどさ…
結局俺は今迅しか信じられないけどさ、でもそれがわかってるだけマシだし…
じっとしててもどうしようもない…というかさ、うーん…」
しどろもどろとする優人に対して、葉瑠がとても大きな溜息を吐いた。
「このヘタレ!!…って早稀ちーが言うのもわかるわー。
『探しに行こうぜ、俺についてこい!!』とか言ったらどうなのさ」
「だってだって、葉瑠たちがそういう気持ちじゃなかったら俺空回りじゃん!!」
「何それ情けない!!」
「あー!! 葉瑠嫌わないで俺生きていけなくなるーッ!!」
「もー鬱陶しいなぁメソメソすんなっての!!」
優人と葉瑠のやりとりに、千世はふふっと笑んだ。
ああ、この感じ、何度も見たことがある。
教室の端からいつも見ていた、ムードメーカーの優人と葉瑠のまるで夫婦漫才のようなやりとり――日頃の2人のやりとりだ。
よかった、元気を取り戻してくれた。
「ほんなら、探しに行こ、みんなのこと。
プログラムなんてあかんって思っとる人、きっともっとおるはずやもんね。
会えたら、きっともっと元気になれるよ」
戦いたくない、どうしたらいいのかわからない。
だから、せめて、望むことをやりたい。
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