過去ログ - さやか「こどもたちのからあげだよ!召し上がれ!」 ほむほむ「ホビャアアアアアアアア!!」
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[sage saga]
2013/11/18(月) 04:33:25.25 ID:SvwQ9ySq0
54 めがほむは走り続ける
決定的な一言だった。
仔りぼちゃんは自分の口でその犯行を認めたのだ。
体から力が抜け、ふらりと倒れそうになるが、踏ん張って堪える。
一番辛いのは仔白ちゃんに違いないのだから。
仔白ちゃんに余計な心配を与える訳にはいかない。
その勇気に最後まで付き合おう。
誓ったその時、ヒュン!と音がして、それからザクリ!と聞こえた。
決意と共に上げた視線の先には、仔りぼちゃんがいる。
その頭には矢が突き刺さっていた。
当の仔りぼちゃんはよく分かっていない様子で、惚けた顔で頭を撫で回し違和感の正体を探っている。
そしてやっと両手で頭の左右から突き出ている矢に触れて、身の上を理解したのか、バタリと正面に倒れた。
ミャドォ! おねえちゃん!
仔白ちゃんの呼びかけは既にもはや冷静を欠いて悲鳴のようで、めがほむはさっき振り絞った勇気が全身から抜けて、ガクンとくずおれてしまった。
心の支えである仔白ちゃんですら、うろたえる事態。
目の前で誰かが死ぬ光景なんて、もう気の弱い自分には耐え切れない。
意識すら失いそうな急展開に、俯く視界の端で白い影が過ぎった。
ミャドオォ! おかあさん!
再び仔白ちゃんの悲鳴のような声、それからバサバサと聞き慣れない音が聞こえた。
ミャド! ミャドミャドオォ! こしろちゃん! こんな とこ すぐ でていこう!
そして白まどの金切り声。
何とか顔を上げると、部屋に仔白ちゃんの姿はなく、伏した仔りぼちゃんの体があるばかりだった。
遠ざかりつつあるバサバサという音のする方を向けば、通路いっぱいに翼を広げた白まどが、巧みに飛び去る後ろ姿が見えた。
そして白まどの肩から乗り出して手を伸ばす仔白ちゃん。
そこから逃げるようにもがいているのは、白まどががっしりと抱え込んでいるためだろうか。
しかし、めがほむを見つめるその表情は助けを求めるものではなく、むしろめがほむの身を案じる、優しい顔に見えた。
めがほむも思わず手を伸ばすが届くはずもない。
あっという間に遠ざかり、角を曲がって見えなくなった。
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