過去ログ - さやか「こどもたちのからあげだよ!召し上がれ!」 ほむほむ「ホビャアアアアアアアア!!」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2013/11/18(月) 04:36:31.22 ID:SvwQ9ySq0
その視線は、仔白まどの肩を抜け、その背後へと注がれている。

仔白まどは振り向いた。

そこは、大木の根が地上に大きく張り出し、地面に壁を作り出していた。
今その壁は風が運んできた土や葉っぱ、枯れ枝などの吹き溜まりとなっている。

しかし風でガサガサと揺れ動く葉っぱの下に、明らかに場違いなものが見え隠れしている。

黒く、細長い、幾本もの糸。
それはとても見慣れた物のはずなのに、あまりにこの場にそぐわないために、なかなかその正体が思い出せない。

一枚の葉が、吹き飛ばされて、その糸に繋がる本体を目にして、やっと分かった。

ほむほむだ。
かつては真っ直ぐに頭を覆っていた黒髪は、いまやボサボサになり、土に汚れ、枯れ枝が絡まっている。

その体も、あちこち傷だらけだ。
脚も腕も、きっと風に転がされ、枝葉を何度もぶつけられたために血が滲んでいる。

それだけなら、仔白まどはすぐに助け起こして、介抱したことだろう。
それをしなかったのは、それが無駄だと分かっていたからだ。

顔が半分なくなっていた。

顔の下半分が抉れて、かつて頬だった部分から口の中が覗き見える。
もはや絶命は明白だった。

誰だか見分けを付けるのすら難しいほどに無惨な死体。

また自分の知らないところで死者が出てしまった。
悔しさに握り締めた掌に爪が食い込む。

そして更に残酷なことに、死体はもうひとつあった。
それはほむほむの死体より先に目に入っていた。

だがとても信じられなかったのだ。
まさか、こんな地べたに、苦痛の表情を浮かべて、土にまみれて転がっているなんて。

まさか、稀少種が。
自分の母が。

もうひとりのほむほむと同じように、髪は乱れ、体は傷つき、そして開かれた目は閉じる気配もない。

英雄であり伝説の存在であるりぼほむは死んでいた。

仔白まどはふらふらとその傍らに歩み寄り、膝をついた。

ミャドォ… おかあさん…

ポタリと涙がこぼれた。

私がもう少し早く真相に気付いていれば。
後悔が胸いっぱいに広がり、涙を次から次へと目から押し出す。

背後に誰かが近付く気配がした。
白お母さんだ。

きっと同じように涙を止められないでいることだろう。



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