過去ログ - さやか「こどもたちのからあげだよ!召し上がれ!」 ほむほむ「ホビャアアアアアアアア!!」
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[sage saga]
2013/11/18(月) 04:29:13.48 ID:SvwQ9ySq0
作業場に近くなり、周囲にほむまどたちの姿がなくなってからも、姉は行動を起こさない。
結局、めがほむは何事もなく作業場へと入って行った。
その時、仔白の中の、姉の無実を願う部分が行動を鈍らせた。
もしかしてやっぱり私の考えすぎではなかったのだろうか。
お姉ちゃんがあんな恐ろしい事をするなんて…。
めがほむはこうして無事に部屋に着いたではないか。
足を止めた仔白の視線の先で、小柄な影が別の入り口から素早く作業場へと入って行った。
しまった!
慎重になりすぎて距離を空けすぎていたのだ。
しかも一番大事なところで二の足を踏んでしまった。
ここからは仔りぼの横姿だけが見える。
その手には弓が握られて、今まさに発射の構えを取ろうとしている。
相対しているだろうめがほむに向けて。
だめだ、もうここからではとても間に合わない!
どうすればいい?
大声でやめてと叫ぶ?
そんな事で姉は諦めてくれる?
それとも…それとも…
焦り、混乱し、思考が空転する。
が、ふいに頭の中が空っぽになったかのように落ち着いた。
だめだよ、こんな時こそ冷静にならなくちゃ。
そんな言葉が聞こえた気がした。
それは自分の中の稀少種としての本能の声だったのかもしれない。
さざ波すらなく、静まり返った意識で、姉を見やる。
その動きは妙に緩慢だった。
なぜあんなにゆっくり動いているのだろう、と疑問に思ってから、自分の感覚が研ぎ澄まされているのに気付く。
離れた姉の姿が鼻先にあるように感じられ、指先の僅かな動きすらはっきりと見え、衣擦れの音すら聞こえる気がした。
自分ならできる、そう確信して自分も弓を構える。
一切の淀みがない滑らかな運動。
呼吸や瞬きと同じく、完全に体の一部として弓矢が動く。
後塵を拝して追いかけた動作は、慌てた訳でもないのにすぐに姉に追いつき、追い抜いた。
仔白は、そのほんの短い時間に全身全霊を捧げた。
今めがほむを守れなければ、自分に稀少種としての意味はない。
これは存在意義そのものを賭けた戦いだった。
冷静な思考は、姉に対する憎悪や報復の衝動すら抱かせない。
今為すべきことは、ただめがほむを守ることだけ。
撃つべきは仔りぼの体ではない。
放たれた矢は過たず仔りぼの矢を撃ち落とし、高く長い音を鳴らした。
今朝の修練すら越えた、完璧な一射が完成した。
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