過去ログ - 葉隠「10割占い」霧切「後日談よ」
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951:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:03:38.05 ID:jdPmmt0K0
戦闘実験第七十二番プログラムのルール
●対象クラス
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2013/11/29(金) 09:04:25.51 ID:jdPmmt0K0
加害者 人数 被害者
1位 榊原賢吾(M7) 4人 川原龍輝(M5)
佐伯華那(F7)
池ノ坊奨(M4)
広瀬邑子(F15)
953:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:08:06.11 ID:jdPmmt0K0
右手に銃を。左手に剣を。射抜くように相手を睨み。突き刺すように相手を詰る。戦いは、止まらない。愛しいあなたの手は、決して離さない――気にすんな…俺の命なんて、クソみたいなモンだから。けれど、君を護ることができるなら、最高の代物だ。無理するなよ…早稀、おいで。この広い世界でお前に見つけてもらえたことが、人生最高の幸せだ。からかわないで…そんなこと…あるわけないじゃない…!!この気持ちはわたしだけのものであるべきだ、そうでないと、わたしは生きていけない。あれ、知らない?好きな人と一緒にいれば、無敵になれるんだよ?貴方がいれば、怖いものなんて何一つない。導く貴方の手が失われた時、何かが壊れる音がした――
とっくに知ってたよ…僕は、リーダー失格だ。仲間の命を護ることになるのなら、僕の死なんて安いものだ――そう、思えるようになったんだ。馬鹿だなぁ…みんなを護る方法なんて、最初から一つしかなかったのに…もうみんなを傷付けさせないからね…あたしが、みんな、片付けるから。庶民との戯れもここまでです…もう、二度と会うこともないでしょう。大好きなあの子のためならば、私は手段を選ばない。貴方がその手で護り抜いた誇りは、失われることはない――大丈夫。何があっても、俺が絶対護ってみせる。俺の意志も、アイツの遺志も、絶対に貫いてみせる――誰にも邪魔させない。麗の誇りを傷付けるヤツは、あたしが絶対赦さない。戦いを望まなかった貴方の遺志に背いてごめんなさい。これが麗さまの望むこと…そう言ってるよ、もみじの中の麗さまが。いっぱい頑張ったら、夢の中で麗さまが褒めてくれる…そう思っていないと、立っていられない。
954:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:08:40.04 ID:jdPmmt0K0
プログラム本部である小中学校から見て真東に位置するE=05エリア、茂みの下からひょっこり顔を覗かせた暗がりの中で光る2つの瞳に、広瀬邑子(女子十五番)はたたっと駆け寄ってしゃがみ、小さな手を差し伸べた。
警戒しているのだろうか、猫は近寄らずに耳をピクピクと動かしていた。
「…誰かの飼い猫だったのかもね、首輪が付いてる」
955:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:09:08.79 ID:jdPmmt0K0
「おう、チワワの“いぬ丸”と、最近拾って飼い始めた“ワン太”!
すっげー可愛いの!」
「ほんっと卓也さんってネーミングセンスない」
956:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:09:42.10 ID:jdPmmt0K0
不意に、右側から葉の擦れる音がし、邑子は足を止めた。
「邑ちゃん…?」
英隆の声色からは、気を付けろという思いが伝わってきたのだが、邑子はさして気にも留めず、茂みの方へ足を向けた。
957:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:10:13.92 ID:jdPmmt0K0
動いたら…撃つから、季莉のこと」
永佳は鋭い視線を雪美に向けたまま、コルト・ガバメントの銃口を、永佳が馬乗り状態になっているために動けずにいる湯浅季莉(女子二十番)の額へ向けた。
銃弾を放ったばかりの熱せられた銃口が額に当たり、季莉は「ひッ!」と短く声を上げ、永佳を睨んだ。
958:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:11:53.09 ID:jdPmmt0K0
邑子も、邑子の視線の先にいる永佳も、目を見開いた。
邑子を護るように四つん這いになっている英隆も、肩越しに振り返り雪美を見た。
ここで、引き分け。
ここで、この戦いが終わるのなら、みんなの手当てができる。
みんな、死ななくて済む。
959:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:12:21.76 ID:jdPmmt0K0
負傷している広瀬邑子(女子十五番)を抱き抱えようとする財前永佳(女子六番)。
その背後で、刀を構えた榊原賢吾(男子七番)。
永佳の手を振り払い、永佳と賢吾の間に飛び出した邑子。
少し遅れ、永佳の顔がそちらへ向く。
次の瞬間には、邑子の身体が傾く。
960:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:13:03.90 ID:jdPmmt0K0
その目に涙はなかったけれど、自分の身体を支えている卓也の深緑色のカーディガンを掴む手は小刻みに震えていた。
『卓也と邑ちゃんは、俺たちが護ろう』
そう、永佳と共に誓ったのに。
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