過去ログ - 葉隠「10割占い」霧切「後日談よ」
↓ 1- 覧 板 20
965:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:20:22.62 ID:jdPmmt0K0
お洒落に目覚めて化粧をして髪を染めてスカートを短くして、興味本位で行ってみたら楽しくて入り浸るようになったゲーセンに通って、良いカモに見えるのかゲーセンではたまに金銭を要求されたが全て返り討ちにし、気がついた時にはゲーセン遊びと喧嘩が日課のようになっていて、いつの間にか問題児扱いされていた、そんな頃。
問題児扱いはされていたけれども、バスケットボールは初等部の頃から大好きだったので、部活には真面目に行っていた。
しかし、夏休み終盤の他校との練習試合中に汗で濡れていた床で足を滑らせて転倒し、右足首を捻挫したため、しばらく部活を休んでいた(最初は見学していたのだが、チームメイトのプレーに一喜一憂して地団太踏んでいたら、顧問に「それだと治るものも治らない、治るまでバスケは見るのも禁止」と言われてしまった)。
放課後に教室に残って勉強をする程勉学に熱心ではないし、家に帰っても弟と妹の相手をしなければならず結局暴れることになるので、学校の最寄り駅の近くにあるゲーセンに毎日通った。
ゲームをする時もあれば、人のプレイを見て楽しむ時もあるのだが、その日は駄菓子を取ることができるゲームをしていた。
ソフトキャンディーのタワーを運良く崩せたため、200円でそれ以上の価値の駄菓子を得ることができ、今日はついていると胸躍らせていた。
「ねーねー、そこのお嬢さん、景気良いねー!
おにーさんたちに、お金、わけてくれると嬉しいなぁ」
せっかくついていたのに、気分を一気に害された。
早稀が振り返ると、睨み上げた先には高校生と思しき2人組がにやにやと笑みを浮かべて立っていた。
「…は? 意味不明。
一銭どころか、お菓子だってやる義理ないっての…あっ!!」
肩に掛けていた鞄を引っ張られ、早稀は転倒した。
その間に高校生は鞄を漁ってピンク色の財布を取り出し、「もーらいっ!」と嬉しそうな声を上げると、そのまま出口へと向かっていった。
直接目の前で奪うあたりは正々堂々としているので褒めてやらなくもないが、それでも犯罪行為には変わらないし、財布を取られて落ち着いていられるはずがない。
「ブッ潰す…ッ!!」
痛めた足で踏み出したので一歩目でよろけたが、早稀は構わず高校生を追いかけた。
ゲーセンを出て左右を見て右側に2人の姿を確認すると、小柄ながらも、運動能力の高い者が多いバスケ部の中でトップクラスの俊足を披露し、一気に距離を詰めた。
一人の背中に飛び掛かって押し倒し、両手で頭を掴んで地面へ叩きつけた。
両手の中から呻き声が聞こえた。
まさかこのような反撃を食らうとは思っていなかったのか(まあそうだろう、着崩してはいるが名門帝東学院中等部の制服を身に纏っていていたし、中学1年生の中でも小柄に分類される女子が相手だったのだから)早稀の財布を持っていたもう一人が唖然としていたが、我に返ると踵を返し、逃げ出した。
1002Res/439.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。