過去ログ - 葉隠「10割占い」霧切「後日談よ」
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971:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:40:31.30 ID:jdPmmt0K0
千葉県船海市立船海第二中学校の3年生は修学旅行にきていた。
コースは奈良・京都の定番。
それでも生徒たちはそれぞれ楽しんでいた。
しかし、もう修学旅行も今日で終わり。
今は帰り道の高速道路のサービスエリアに生徒たちが溢れていた。
もちろん、3年5組の生徒40人もそれぞれ休憩していた。

 

加賀光留(千葉県船原市立船海第二中学校3年5組女子3番)はトイレを済ませ、外の空気を満喫していた。
バスの中の臭いはあまり好きではない。
肩に届かない短い髪が、風に靡いていた。

「光留、お待たせ!」

「ねえねえ、ジュース買わない?」

トイレから出てきたのは、幼馴染の幸田真菜(女子5番)と中学生になってから出会った松田由梨(女子18番)だ。
3人はいつも一緒にいる仲良し3人組だ。

 

自動販売機の所には既に先客がいた。
茶髪に両耳に合計5つのピアス――所属する陸上部では県の記録を持つらしい因幡彰人(男子2番)だ。
光留は彰人のような派手な男子は好きではないので、会話を交わしたことはない。

「ほらほら、由梨、因幡くんだよっ」

真菜が由梨の耳元で囁き、肘で小突いていた。
由梨は顔を真っ赤にしている。
由梨の想い人だそうだ。

「い…因幡くんも…ジュース買うの…?」

由梨が勇気を振り絞って声を掛けていた、ナイスファイト。
彰人はにこっと微笑んだ。
好きではないが、かっこいいとは思う。

「バス酔いがいるからさ、冷たい物でもって思って。
 俺も喉渇いたしさ。
 …って1人で持てるかよ、手伝え!!」

後半は由梨に向けられた言葉ではない。
自動販売機の前にあるベンチの前にいた久保田篤史(男子5番)が溜息混じりにタラタラと歩いてきた。

「これくらい1人で持てよ、陸上部っ」

「陸上と関係ないだろ、サッカー部」

自販機占領しててごめんな、と彰人は由梨にもう一度笑顔を向け、ベンチの方へ向かった。
由梨がこれでもか、というほどに顔を赤くしていた。

真菜と由梨がジュースを買う間に、光留はベンチに目を向けた。

篤史は同じサッカー部仲間であり幼馴染でもある安藤悌吾(男子1番)にジュースを渡していた。

彰人が心配そうにジュースを渡したのは、まだ幼さを残している大塚豊(男子3番)と、その横に座っていた瀬戸口北斗(男子6番)。
豊はその可愛らしい顔を青ざめさせていたが、北斗は酔ってはいないらしい。
ちなみに光留は北斗もあまり好きではない。
肩まで伸びた茶髪に3つのピアス、トレードマークらしいバンダナを巻いている容姿は、やはり派手だ。

光留には興味がないが、悌吾・彰人・篤史・北斗は女生徒からの絶大の人気を誇る4人組だ。
普段からしょっちゅう他のクラスの女生徒たちが5組の教室を覗きに来ている。
今も、近づいては来ないが、あちこちから視線を感じる。

「とにかくこれ飲め」

北斗は彰人から受け取ったジュースの缶を開け、横でしんどそうに座っていた相模晶(女子6番)にそれを渡した。
茶髪の長い髪を2つに束ねて耳には青いピアス、晶は学年1と謳われるほどの美少女だ。
しかし、ほとんど表情を変えない無口な晶には、光留を含めてクラスメイトたちはあまり近づかない。
近づくのは晶も入る幼馴染グループの北斗・悌吾・彰人・豊・篤史、そして晶の所属するバスケットボール部のメンバーくらいだ。

「ありゃー…晶ってばバス酔い? …あ、もしやゆたちゃんも?」

「……まどか……」

晶がやや青ざめた顔を上げた。
遠くから走ってきたのは、女子バスケットボール部のキャプテンである谷口まどか(女子8番)だ。
恐らく晶が心を許している唯一の女子だろう。
後ろには同じくバスケットボール部でややぽっちゃりした体型の白鳥里子(女子7番)と、ボーイッシュな野島美奈子(女子15番)を引き連れていたが、この2人はそこまで晶とは親しくないらしい。


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