過去ログ - 葉隠「10割占い」霧切「後日談よ」
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987:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:56:45.01 ID:jdPmmt0K0
ところが、智江子にはクラスメイトの大半は信用する事ができないし、向こうにしても自分を信用してくれるとは思えない。
仲間にできそうと言えば、とても大人しくいつも何も言わず智江子に付き従っている上田昌美(女子2番)や、同じ部活に所属するウドの大木である加堂啓(男子4番)くらいだろう。
園田茂樹(男子7番)も交流はあるが、茂樹は利己的なお坊ちゃんなので、プログラムという状況に放り込まれた今、周りを犠牲にしても優勝すると考えている可能性はかなり高いので信用できない。

昌美か啓、どちらかで良い。
運動能力はどん底の2人だが、弾除けくらいにはなってくれるだろう。
ある程度人数が減るまでは様子を見、10人を切った辺りで行動に移れば、優勝する可能性も決して低くはないはずだ。
運良く昌美や啓が生き残っていたとしても、最後に殺害してしまえばいい。

よし…いける…!
計画は完璧だ!!
覚悟しろ、クラスのバカ共が!!
あたしだって本気になればアンタたちなんかに負けないんだよ!!

智江子は分厚めの唇の端を上げた。
気に食わないクラスメイトたちが自分に命乞いをする様は、想像しただけで笑いが込み上げる。
それを一刀両断にしてしまう、なんて気分がいい。

デイパックの中に入れていた小刀に手を伸ばした、その時――

 

がさっ

 

智江子は目を見開いた。
前方の茂みが揺れた、気がした。
急いで小刀を握り締め、いつでも鞘を抜ける準備をした。

「誰!?」

智江子は叫んだ。
しかし、返事はない。

「そこにいるのはわかってんだよ!!」

「…智江ちゃん…?」

「…昌美!!」

茂みからひょこっと顔を出し、怯えた目つきでこちらを見つめるのは、数少ない仲間にし得る友達だった。
盾が来た――という喜びを内面に隠しながら、智江子は再会した事が嬉しいように振舞いながら(事実嬉しいが)、小刀をスカートに挟み、昌美に駆け寄った。

「良かった、会いたかったんだ!」

「あたしも、会いたかった…よかったぁ…」

昌美が抱きついてきたので、智江子も柄に合わないと思いながらも抱き締めた。
今から盾になってもらうんだ、柄に合わない事でも喜んでやってやる。

「もう…怖くて…
 瀬戸口くんも早苗ちゃんも…あんな事になって…
 2人共…とても良い子だったのに…」

「う、うん…」

昌美も本当に良い子ちゃんだね…
誰でも彼でも良い子だ良い子だって…
おめでたいヤツだよ…

瀬戸口北斗(男子6番)の事も早苗の事も好きではなかったが、話を合わせることにした。
せめて今くらいは良い友達でいなければ――

 

「嘘、ついたね…?」


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