12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:13:58.85 ID:QNqxVs210
  
  常夜灯の頼りない明りで照らされた階段を上る。 
 ドアを開けると、屋上は街明りが届かずに暗闇が溜まっていた。 
  
  暗闇に二つ蛍日が灯る。不完全燃焼した煙を肺に流し込む。 
 命が縮む味がした。 
  
  軽く息を吐く、煙が夜空に溶けていった。 
 あらかじめ買っておいた缶コーヒーのプルタブを押し込むと小気味いい音が鳴る。 
  
 P「要る?」 
  
 ¶「いただきます」 
  
  空いていない方の缶コーヒーを軽く放ると左手だけで受け止められる。さすが元キャッチャー。 
  
 ¶「寒くなってきましたね」 
  
 P「もう秋飛び越して冬だな」 
  
  同じタイミングで息を吐く。 
 しばらくしたら吐く息も白くなる季節がやってくる。 
  
  指先に熱を感じる、火種がすぐ近くまで迫ってきていた。 
 足で吸殻を踏み潰してそのまま排水口に蹴りいれる。 
  
 ¶「…………」 
  
 P「あ、悪い」 
  
  差し出された携帯灰皿に気づいた後だった。 
  
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