35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:33:25.75 ID:QNqxVs210
相合い傘で雨に降られる街を歩く。残念ながら涼に貰ったチケットは無駄になってしまった。
肩が温かく濡れていた。惚れてる方が濡れている。
街の喧噪は耳に届かず、朝が来なくなった夜のように静かで。それでも律子の声だけがはっきりと鼓膜を、胸を震わせるように届いて。
隣で笑う彼女の笑顔は自然な笑顔を見せてくれていて。
気の早い奴らがもう木にクリスマス用のライトを取り付けていて。でもこの温かい雨の音を聞いているとまだ冬が来るのは先のように思える。
それまでに、いやこれから。その笑顔を曇らせないように。二人を照らす明かりのように互いを照らし合えるように。
一歩、二人の距離を縮める。言葉にしないけど、恥ずかしくて出来ないけど。伝わるように。
君がいるだけでよかったと。それだけでよかったと伝わるように。
信号は青く灯っていた。
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