過去ログ - 【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第22位【アラフォーマーズ】
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29: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2013/11/21(木) 23:42:23.52 ID:TKMJhvgEo

 やれやれ、と息を漏らす。

 彼女は笑顔である。

 ほんわか可愛い先輩で、大学時代は技の調整に付き合って貰った恩もある。

 実に、愛らしい人だ。癒されると言おうか。

 小走やえを、その実力がゆえに安心感を覚える相棒とするなら――。

 この、荒川憩はその抱擁力や穏やかな雰囲気から、安心感を与える存在であった。


憩「……って、ごめんな?」

憩「これから試合なのに、ついつい京くんやーって思ってしもーて」

憩「緊張感、崩しちゃったら……それこそ大人失格やねー」


 だが今は、敵だ。

 闘わなければならない――いや、むしろ、純粋に戦ってみたい相手。倒すべきではなく、倒したい敵。

 抱き締めたくなる。

 この感覚は正に、愛というそれに近いであろう。

 正面から組み合って、力比べをしてみたい――この手でその鎧を剥がして組伏せたい。

 などと、冷静なる頭脳とは別の部分が騒ぎ出すのだ。


 勿論、そんな風に正面から戦うのは無謀の極みであり、それは到底京太郎のスタイルからはあり得ない。

 そんな自殺志願者でもなければ、況してや自分の正当なる全力を発揮しない愚行は、他ならぬ京太郎自身が許容できない。

 だが、楽しい。

 実に愉快に――昂るのだ。この心が。

 きっとすぐにそれは、苦しさや辛さという感情に上塗りされる。膨大な情報量に追いやられる。

 だけれども、楽しい。

 こうして強敵と。実に困難極まりない相手と戦うこととなるのは――楽しい。

 プロというもの以外、他に賭けるものがない決闘めいた勝負であるからこそ、純粋に麻雀の楽しさに触れられる。

 ああ、麻雀というのは――楽しい。

 胸が踊るのだ。恐怖もあり、痛苦もあり、屈辱もあり、勝ち負けがあるとしても――楽しすぎる。






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