過去ログ - 碇シンジの日常
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106: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/05(水) 17:17:39.04 ID:2xY/BUup0
「ねえ、アスカ。よく人って外見じゃないって言うけど、あんなの嘘よね。綺麗事だよね」

「え?」

唐突な話に思わずアスカが聞き返した。

ヒカリは特に気にした様子もなかった。

「だって、人は外見だもん。本当に人間っていうのは身勝手な生き物で、目に写るものばかりを重視して、本当の中身を知らないし、本当の中身を知ろうともしない。よくテレビドラマとかで見かける、安っぽくて頭がスカスカでいかにも世間知らず的な奥さんが、結婚した後に家庭の不満を他人にぶつけて、あんな人だとは思わなかったの、私は騙されていたの、なんて馬鹿みたいな事を言ってるけど、実際のところ人間なんてみんなそんなものなのよ。中身ではなく外見や言葉に私達は恋する生き物なのよ。ね、アスカもそう思うでしょ?」

ヒカリの口調はどことなく投げやりで、それこそドラマに出てくる三十代ぐらいのくたびれたスナックのママを彷彿させるものがあった。

「えと……どうかしら……」

ヒカリの変わりようにやや戸惑いながらも、アスカはそう答えた。自分がシンジの事を外見で好きになったとは思わない彼女である。

「そりゃまあ、外見もやっぱり大事だとは思うけど……。でも本当のところは違う気がするわね。性格だとか、たまに見せる力強さだとか優しさとか……。そういうものに惚れるんじゃないかしら?」

ヒカリは鼻で笑った。

「大人びている様に見えるけど、やっぱりアスカも子供なんだね。そうだよね、仕方ないよね。私達は、お子様だもん」

アスカは何を答えていいかわからず、また何かを答えなくてはいけない様な気もしたが、まるで言葉を忘れてしまったかのように口を開く事が出来なかった。

それを見て、ヒカリは話はここで終わりとばかりに席を立った。「化粧直ししてくるから」と廊下へと出ていく。

アスカは一緒に立つ事が出来なかった。

このままヒカリの後を追わなかったら、何か大事なものを失う様な気がしたが、それでも彼女は何故か立つ事が出来なかった。

追って引き止めたとして、何を言えばいいのだろうか。

自分には何が言えるのだろうか。

それがわからず、アスカは俯いたままじっと机の上の小さな傷を意味もなく眺め、ただヒカリの帰りを待つ事しか出来なかった。


しばらくして、女子トイレからヒカリの悲鳴が聞こえた。

シンジはたまらず射精した。

悲鳴は更に大きくなった。


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