117: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/06(木) 15:54:57.36 ID:XgL2boKS0
しかし、とにもかくにも一度芽生えた恋心はやはり恋心であり、アスカはそれからというもの迷わなかった。
まずレイとシンジの両方に質問し、二人が付き合っていないという事実を確認したアスカは、不器用ながらもシンジに対してアプローチを始めた。
ただ、肝心要なところで自分から全てを台無しにしてしまったという失敗が彼女の心の中では重くのしかかっており、どうにもシンジに対して直接強く踏み込めない。
しかし、シンジに対する想いは人一倍強かったので、そのやり場のない鬱屈した愛情は別の方面で爆発する事となり、シンジの留守中に布団に潜り込んでクンクンするなどの行為へと彼女を走らせる結果となった。
シンジはシンジで、アスカからの御褒美をあれから強く期待してときめいてはいたものの、しかし、もらえるのは蹴りや罵倒などがほとんどで、それはシンジの求めているものとは微妙に違っていた。
アスカはシンジからの愛ある行為を求め、シンジはアスカからの愛あるプレイを求めた。
似て非なるもの。
上手く噛み合いそうで噛み合わない歯車。
すれ違う二人の想い。
アスカは今日も、シンジが寝ている間に撮った彼の恥ずかしい写メで興奮し鼻血を垂らしそれ以外のものもだらだら垂らすが、そこから先へは進めない。
シンジは今日も、アスカが寝ている間に撮った彼女の恥ずかしい写メで興奮し鼻血を出しそれ以外のものもどぱどぱ出すが、そこから先へは進めない。
トウジは一人エロ本を見てハァハァ言い、ケンスケはゲンドウの写メを見てハァハァ言い、カヲルはシンジの尻を見てハァハァ言い、マリはレバーを食べながらハァハァ言い、レイはシンジの恥態を思い出してハァハァ言い、先生は授業中ですからと全員を注意した。
今日も世界は平和だった。
こんな何でもないような日常が、実は幸せな日々だという事にシンジ達は気がつかない。
彼らは今日も世の中は不本意であり不条理な事ばかりだと嘆きながら授業に戻る。
ヒカリの姿はそこにはなかった。
彼女は既に早退していた。
日誌の理由欄には一言「ソーセージ」と書かれてあった。
後でシンジが「フランクフルト」と書き直した。
ちっぽけなプライドだった。
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