146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/21(月) 19:41:50.46 ID:DQLGVl4x0
「碇君が、着ぐるみを着たくないなら、代わりに私が着る。だから、やめて」
「はあ!? アンタなんかに着させる訳ないでしょ!」
当然、アスカは反発を覚えた。相手がレイで、おまけにシンジを庇うようなセリフだったから、ついつい口調も強くなるというものである。
「あれはアタシとシンジだけが着ていいものなんだから! 二人だけのものなの!!」
いつからそう決まったかは謎だが、とにかく今そうなった。
「や、やめてよ、二人とも……!」
慌ててシンジが止めに入った。そして、「僕が着るから大丈夫だよ、綾波」とシンジはレイに向けて作った様な笑顔を向けた。その為、レイの決意は更に固まった。
「いいえ。碇君がもう、着ぐるみを着なくていいようにするわ。だから」
それを聞いて、アスカの決意もまた揺るぎないものへと変わった。
「冗談じゃないわよ! あれはアタシとシンジの物だって言ってるでしょ! アンタなんかに着させるぐらいならアタシが着るわよ! ふざけないで!」
アスカはすぐさまダッシュで屋上へと向かった。
「させない……!」
レイも急いでアスカの後を追った。
「あ、ちょっと! 二人とも待ってよ!」
シンジも慌てて後を追い、その場のノリでマリもその後を追い、一人だけ取り残されるのが嫌でカヲルもその後を追った。
つまり、全員が着ぐるみを求めて走り出した。
着ぐるみ争奪戦が何故いきなり始まったのかは誰にもよくわからなかったが、とにかく彼等は最も早く着ぐるみを着ようと、屋上へと向かって絶好調の飛び魚の様に駆け上がっていった。
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