過去ログ - 碇シンジの日常
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15: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2013/11/24(日) 10:19:10.96 ID:HUdVIpcH0
「えっと……じゃあ針金を使って外してみます」

「頼んだわよ、シンジ。このままだと一生ミサトと過ごさなきゃならなくなるんだから」

「頼んだわよ、シンジ君。私達の運命、あなたに託すわ」

二人からの過剰な期待を乗せ、シンジは針金を持つ手を動かした。何故、こんな状況に陥っているのかは最早誰にもわからなかったが、シンジはそれでもベストを尽くした。

玉のような汗を額に浮かべ、慎重な手つきでシンジはカチャカチャと針金を動かしていく。

刻一刻と過ぎ去っていく時間。

アスカもミサトもシンジの手元だけをじっと見つめていた。

そして……。

カチャリ……


「外れた……?」

「よっしゃあ! 流石、シンジ君!」

「よくやったわ! ナイスよ、シンジ!」


歓喜する二人。微笑むシンジ。


おめでとう。

手錠につながれてた全ての人におめでとう。

アスカとミサトにおめでとう。


シンジに針金にありがとう。


開始から四分二十三秒後、二人の手錠は見事に外された。

シンジには祝福と感謝の言葉が与えられ、ミサトはこれから一ヶ月の間、ゴミ出しを全部自分ですると約束した。アスカは二ヶ月の間、シンジのアイスを勝手に食べない事を固く誓った。シンジは額の汗を拭くためポケットからハンカチを取り出し、その拍子に手錠の鍵がコロコロと床に転がった。

アスカは蹴った。

シンジは泣いた。

ミサトは笑った。

今朝もミサト家は平和だった。


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