86: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/03(月) 18:24:30.51 ID:bH+Tcx6s0
ゲンドウとケンスケの初めての出会いは山の中だった。
夏休みのとある日、カヲルとの都合が合わなかったケンスケは仕方なく一人でサバゲーをしていたのだが、そこでゲンドウを見つけたのだ。
ゲンドウはパジャマ姿で、湖のほとりで体育座りをしながら、水面を寂しそうにじっと眺めていた。
こんな時間にこんな所でおまけにあんな格好で一体何をしているのだろう?
不審にも思ったが好奇心の方が遥かに勝ったケンスケは、生来の人懐っこさも手伝って声をかけてみた。
「何をしてるんですか?」
ゲンドウは少しだけケンスケの方を向いたが、すぐにまた水面に目を向けじっと眺め続けた。
「釣りだ」
「釣り竿も何にもなしで?」
「そうだ」
「…………」
いささか返答に困ったケンスケは、黙ったままゲンドウの顔と湖を代わる代わる見つめた。
すると、ゲンドウは仕方なくといった感じで一言だけ答えた。
「エアーフィッシングだ」
「……そうですか」
そこでケンスケは立ち去り、会話は終了した。
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