33: ◆vMrM7btFzA[saga]
2013/11/22(金) 21:09:31.52 ID:fx8HGgWAO
自分の名前を呼ぶ懐かしい声に、私はハッと空を見上げた。
周囲を見渡してみても、何もない。
でも、私には確かに聞こえていた。
「ほむらちゃん、自分を傷付けたりしたらダメだよ」
何かに包まれているかの様な感覚がして、私はゆっくりと右手を降ろした。
右手は私の知らない内に治っていて、赤ちゃんの肌みたいにすべすべだった。
痛みなんて微塵も感じなかった。
「まどか……?」
返事は、ない。
しかしそれは些細な事だった。
これまでの空虚な時間を顧みれば、声が聞こえただけでも十分過ぎるくらい。
傷一つない右手を、私は血塗れの頬に当てた。
「まどか……」
右手を頬擦りしながら、私は呟いた。
その時右手が頬の傷に触れて、傷が残っているのに気付いた私は血を拭いながら魔法で治した。
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