5: ◆vMrM7btFzA[saga]
2013/11/22(金) 18:45:54.69 ID:fx8HGgWAO
何も言わない私に杏子はフッと表情を崩し、そして笑った。
「ま、何だっていいさ。したい事をするのに理由を言わなきゃいけない、なんてルールはないしね。アンタはアンタの好きなようにしたらいい」
「杏子……」
「ただ、な」
そこで杏子は言葉を切ると、照れ臭そうに頬を掻いた。
「アンタが辛くなったら、何時だって頼っていいんだぞ」
「杏子、アナタ」
「分かってるから、それ以上言わなくても。柄じゃないって事くらいさ」
酷く赤面する杏子はそう言うと、私に林檎を一つ押し付けて素早く背中を向けた。
そんな珍しい彼女の様子に、私はクスリと笑った。
「林檎ありがとう、杏子」
礼を言うと、杏子は小さく鼻を鳴らした。
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