過去ログ - 男「知らないアプリが入ってた」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/29(金) 22:16:52.50 ID:pajolUEK0

男「どうしたのかあさ━━━」

母の両手は背後に隠れていてよく見えなかった。
だから警戒なんてしていなかった……誰が母に殺されると想像するか。
創作の中でなら見たことがあるがまさか自分の身に起こるとは思わないだろう。

そう…母の隠れた手には果物包丁が握られていた。
その包丁が電気に照らされ煌めくさまを見たのは自分が床に倒れ、首から血が噴き出てる様を立てかけてあった
鏡で見たすぐ後の事だった。

不思議と痛みはない。
体の奥底からこみあげてくるそれは恐怖。そして悲しみ。
親に殺されたという事実。それを思うだけで悲しくなる。
涙が出る。
この涙はなんだろう?痛み?悲しみ?恐怖?
もう考えることすらままならない。
母さんが何かを言っている…なんだろう…ねぇ?何を言ってるの?聞こえないよ…

「妹ができたのよ…だからあなたはもういらない」

妹?俺に妹なんて……あぁ、そうか。母さんは女の子が欲しかったんだもんね…
俺なんか所詮変わりでしかなかったんだよな…

そう思うと不思議と悲しくはなくなった。
代わりの感情がそれよりも深く、濃い物として露になった。


憎い!憎い!!俺を殺したこの女が憎い!代わりとしか思っていない、自分をただの人形としか思っていない
このくそ女が憎い!殺したいほどに憎い!!!

だけど体はもう動かない。
あぁ、最後に一言言ってやりたかった。
この女に一言。

「いままでありがとう」と。憎いけど母親なんだ…と分かっているからこそ…そうしか言えなかった。
せめてこの言葉が言えたならこの女は後悔で苦しんでくれると信じていた。

だから俺は言った

男「あ……り…がと……いま……ま……で」

自分の死に顔はいつものように寝ているように綺麗な物だった。
自分で自分の死に顔を見るなんて思いもしなかった……




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