11: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/11/29(金) 07:27:05.62 ID:QLKHrZYDO
「いちごぱんつをくれ! サイズはSSだ」
私は高らかに宣言した。
購買部の職員と周辺にいた生徒たちが、何故か奇妙な目を向けてくる。ふん、ドイツ人が日本の伝統衣装を購入するのがそんなに珍しいか。
「しょ、少々お待ちを……」
職員が品物を探す間、購買部をぐるりと見回す。女生徒向けなのか、下着のデザインもいくつか種類があるようだった。
「お待たせしました。こちらでよろしいですか?」
職員が取り出した下着には、白の生地に小さな苺が無数に散りばめられていた。
「これが、いちごぱんつ……」
手に取ってじっくりと確認してみる。簡素ではあるが、赤と白のコントラストが何やら楽しげな気分を呼び起こすかのようだ。
「これが、私に足りないもの……」
頭上に戴き、仰ぎ見る。灯りに透かしてみると、苺の赤が静かに情熱をたたえているかに見える。これが大和撫子のたしなみか。
すると近くにいた生徒が私をまじまじと見て通り過ぎていった。ふん、日本文化を理解しようとする私の何がおかしい。
「あの……えーっと……」
ああ、日本の伝統を堪能するあまり、職員の存在を忘れてしまっていた。
「すまない。これを貰おう」
会計を済ませていちごぱんつを手に入れた私は、日本の心に、嫁の心に一歩近付いたような気がして、足取り軽く購買部を後にしたのだ。
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