34: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/01(日) 03:30:39.50 ID:PAEU29WDO
一夏が2杯目のお茶を一口啜ったあたりで、茶菓子を勧めてみた。
「おっ、至れり尽くせりだな……んっ、旨いぞ。」
シャルロット印の太鼓判は有効だ。大きめにカットした芋ようかんを一夏は2口で平らげてしまったのだ。
そんな嫁を見ていると、なんとも嬉しい気分になってくる。
「もしかしてこれ、ラウラの手作りか?」
「シャルロットと二人で作った。まだあるぞ。食べるか?」
「ああ。腹減って夕飯まで持たないかと思ってたんだ。助かったよ」
笑顔で芋ようかんに食い付く嫁の姿を見ているうちに、私も自然に笑みが浮かんできた。
──この不思議に落ち着く気持ちは、何だろう。
「ふー、美味しいお茶とお菓子で生き返ったー。ありがとな、ラウラ」
屈託の無い笑顔の一夏に礼を言われた時に気付いた。
この気持ちは一夏を思う私の心──お茶と茶菓子のもてなしに、一夏が応えてくれたからだ。
「嫁が喜んでくれて良かった」
別に一夏を茶室に誘うまでもなかったのだ。
お茶と思いやりの心と私と一夏。それがあれば──私の大好きな茶道を、大好きな一夏と共有できたのだ。
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