173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 05:02:55.40 ID:AKdwvEE2o
「ごめん」
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2013/12/04(水) 05:03:23.24 ID:AKdwvEE2o
何かを言おうとした。
何も、言えなかった。
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2013/12/04(水) 05:06:04.32 ID:AKdwvEE2o
声が聞こえる。
何人くらいだろう。
私がよく知っているはずの声。
176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 05:07:55.10 ID:AKdwvEE2o
膝枕をしてもらっていたことに、今更ながら、ようやく気付く。
上体を起こすのを手伝ってもらい、周りを見渡せば、そこは私の箱庭の頂点、あの丘だった。
そこには全員が揃っていた。
美樹さやか、巴マミ、佐倉杏子、百江なぎさ、そして、まどかと、私。
177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 05:08:36.47 ID:AKdwvEE2o
怒りとも悲しみともつかない声が、形をもらって口から出ていく。
こんなにも弱い私が、ただ恨めしかった。
何をしたって、どんな姿になり果てたって、それだけを守り通すと誓ったはずなのに。
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 05:09:17.26 ID:AKdwvEE2o
それを代わりに決意したはずの私は、どうしようもなくみじめだった。
泣いて、叫んで、嫌がって、抗って、それしかないと分かっていても抵抗して。
あなたと別れたくないと吠える私自身を必死に抑えつけていた。
そんな風に、穏やかに笑うなんて、とても、できなかったのに。
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 05:09:57.96 ID:AKdwvEE2o
その答えは、いつかここで聞いたものと同じだった。
でも、答えにはなってない。
だってそれなら、今のあなたのその表情は、ありえないものだから。
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 05:11:12.88 ID:AKdwvEE2o
それはとても高潔な想い。
強く、優しく、私なんか及びの付かないくらい、手の届かない所まで昇って行ってしまった証。
それが私とあなたの違いだと言うのなら。
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 05:11:46.27 ID:AKdwvEE2o
どれだけ時間が経っても、私から流れる涙は止まらない。
涙と鼻水でぼろぼろになった顔に、まどかがハンカチを押し当てて、拭ってくれた。
そして、言った。
182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/04(水) 05:12:14.82 ID:AKdwvEE2o
私の全てを突き動かした、その衝動、その欲望。
ずっと心の奥底に秘め続けた、たったひとつの想い。
いつしか伝わらないと諦めた。叶わないと決めつけた。
きっと今も、それを口にしたところで、まどかを待ち受けている運命は、変わらない。
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