22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/01(日) 19:46:29.57 ID:j4MC2eqco
「こんな所で、何をしているのです?」
膝を抱え、思考に溺れていた私の頭は、不意に掛けられた一言で現実に呼び戻される。
それは中継された声ではなく、自分の真後ろから響いたもの。
聞き覚えは、あった。
「どうやって登ったのかは分からないけど、もし怖くて降りられないのなら、なぎさが助けてあげるのですよ」
「……そう、有難い申し出だけど、その必要はないわ」
百江なぎさ。
彼女こそどうやって登ったのかと聞いてみたいが、それを問う前に、中指の紋章に気付いた。
よく考えてみると、美樹さやかも魔法少女としてこの世界に落としてしまったのなら、それは道理だろう。
彼女に、円環の記憶があるということはないだろう。
ほとんど接点がないだけに、どう扱っていいかも分からないのが、不気味ではあるが。
ひとまず後ろは振り向かずに、手に力をもう一度込めて、世界の揺らぎをおとなしくさせた。
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