過去ログ - 【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第23位【アラフォーマーズ】
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548: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2013/12/08(日) 23:40:56.31 ID:LKgYtCpmo

 瞬間、兵衛と京太郎の身体が動いた。

 ポケットから抜き打ちされた兵衛のボールペンが、京太郎の手を――その手のフラッシュライトを弾き飛ばす。

 カツンと音を立てて、フラッシュライトが転がっていく。


兵衛「ライトに紛れて、かき集めた蛍光灯の破片を飛ばそうとしているって、ことか?」

京太郎「い!?」

京太郎「あ、ははは……う、ウィンク似合わねーな……あんた」


 片目を閉じた兵衛。

 いくら日中とは言っても、薄暗い室内。蛍光灯は破壊されている。

 多少の明かり取りの為の格子状の窓はあっても、若干不足気味。

 そこに、軍用のフラッシュライトだ。(部下の装備から奪ったのであろう)

 実際のCQBでも用いられるように、強烈な光りというのは人の行動を阻害する。

 光源による盲目、盲目状態での破片による攻撃、そのパニック。

 それらで、天秤を傾けようとしていたのだ。この男は。


京太郎「ち、近付いていいのか? 俺はまだ武器を隠し持ってたり、するかも……」

京太郎「近寄らない方が身のためだったりー……」


 なんともみみっちく、小賢しく、小狡い男だ。

 そこに苛立ちはない。ただ、憐憫があるだけだ。

 どこまでやっても、その程度。あまりに哀れすぎて、むしろ愛おしさをも覚えた。

 そして、それを踏み潰す愉悦も。

 右足に、力を込める。

 京太郎が口を開いたが、止まらない。兵衛は動き出していた。

 せめて末期の命乞いを聞いてやればよかったかと思い――無視して、冥土の土産に、絶望の現実を突きつけんと喉を震わせる。




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