5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/12/02(月) 22:59:34.56 ID:7uDsyhBso
それが好きな人に変わったはっきりとした瞬間は、恐らくないだろうに思う。
ゆっくりと憧憬が形を変え、尊敬は徐々に熱を持ちはじめ、友情の中には穏やかに愛情が生まれていく。
成果を一番に報告したい存在になり、彼女に褒めてもらいたくて頑張るようになり、子供扱いされることに一等落ち込んだ。頭を撫でてくれるたびに喜びが増え、抱きしめられる幸せが大きくなり、悩ましげに伏せられる瞳に心臓は早鐘を打つようになる。
気が付いたらあずささんのことを想い、気が付いたらあずささんを視線が追い、気が付いたらこれは恋だったのだ。
他人と親しく接するようになったのも久しぶりで、人を好きになるなんて初めてだった。その初めてが同姓という形で、余計に何をしていいのかが分からなかった。
自分で調べてみても、肩身が狭いことや体裁が悪いといったネガティブなことが沢山出てきて、少数の前向きな人たちはそういった社会の批判と戦えるだけの強い心、強い味方を持った人たちだった。
アイドルという立場も私の動きを絡めとる要因だった。
普通よりも社会の目に厳しく睨まれているこの業界。批判も拒絶も普通より厳しくなるだろう。
私はそれに耐えられるだろうか。皆は離れていかないだろうか。あずささんは泣いてしまわないだろうか。あずささんの夢を壊してしまわないだろうか。
そんな不安たちが私をがんじがらめに縛りあげ、私は恋に真っ直ぐになることにすぐに弱気になった。
そうして出した結論は、この片思いをし続けることだった。
誰に悟られることもなく、自分の中だけでゆっくりと枯らして行こうと。
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