29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/12/05(木) 00:14:52.54 ID:My2ZDWWTo
かつ、かつ、と舗装された歩道を鳴らしながら歩く。
寒空にふさわしい、冷たい音だ。
「そういえばこの袋は何なんだろうな」
そんな中、事務所に戻るまでの道すがら、渡された袋を注視した。
開けない理由はない。
まあ、翠が渡すものだから決しておかしなものは入っていないだろう。
ある意味安心して袋から取り出した『それ』は。
「……ああ、なるほど」
雪のような――俺が使うには少し勇気の要るような――純白の手袋であった。
瞬間を置いて、言葉の箱はようやく開く。
示されたささやかな解答と表れた安堵と共に、俺はそれをおもむろに付けたのであった。
[おわり]
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