過去ログ - ほむら「おおいなる時間」
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2013/12/06(金) 22:00:34.12 ID:2Na9HnW00

〈見滝原 -三丁目 三叉路-〉

ほむら「…………」


鹿目邸を出た後、わたしは魔獣退治に出かけていた。

悲鳴と怒号が飛び交うこの街は、以前の静けさを取り戻すことはなく――
異形の存在と、魔獣が闊歩する街へと変貌を遂げた。

どうして、どうしてあの子の家族が――

先程、白い巨大な化け物がこちらを向いていた気がしたが、そんなことはどうでもよかった。
それよりも、『白塩化症候群』に感染したあの家族の事が気になって、わたしは一切の思考をそれに向けた。
あの『災厄』の日以来、多くの人間が塩の柱となり――、或いは人類に仇名す存在へと変わっていった。
そしてとうとう、わたしの見知った人までもが塩に成り果て、その命を散らせた。

家中を隈なく調査したが、荒らされた形跡は見つからなかったのでレギオンに襲われたとは思えなかった。
だとすれば、運悪く空気感染してしまったとしか考えられない。
それでも――
それでもわたしは、事実を受け入れられずにいた。

いつからわたしは、こんなにも弱々しくなってしまったのだろう――

けれども、感傷に浸っている暇など無い。
レギオンという脅威が現れた今もなお、魔獣は変わらず人々を狙い続ける。
それを阻止するのが、わたしたち魔法少女の役目――

両目に溜め込んだ涙を拭い、夕焼けの街を前に進む。


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