39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 09:44:35.88 ID:ejj/EHMJ0
政府の『見滝原封鎖計画』が発表されてから一週間――
精神的に追い詰められていた巴マミは、わたしと佐倉杏子の度重なる説得により、なんとか立ち直ることに成功した。
わたしと杏子で、魔獣を倒すついでにレギオンも倒そうと彼女に提案したのがきっかけだった。
元人間を攻撃することに躊躇いを隠せなかった巴マミだったが、レギオンに人々が殺されていくのを傍観する訳にもいかず、最終的にはこの提案を呑んでくれた。
最初、魔法少女の魔法でレギオンを軽々と薙ぎ倒していたが、根本的な解決には至らなかった。
それもそのはず――白塩化の感染は、レギオンに襲われなくとも空気感染でいくらでも犠牲者を増やすことができる。
しかも最近では、外見が人型から逸脱し、極度に肥大化した個体である『変異体』なるレギオンが確認されている。
昨日の魔獣退治の後、その個体が市街地をうろついていたのでわたしたち三人で倒そうと試みたが、体力・防御の面で通常のレギオンの5倍近くはあると推測した。
通常の個体ならばソウルジェムをほとんど濁さずに倒せるのだが、『変異体』を倒すのにはそれに見合うだけの攻撃をぶつける必要があった。
向こうからこちらには攻撃して来ないので楽に倒せるが、こちらは攻撃する度に穢れが溜まる一方である。
魔獣も、白塩化の犠牲者とレギオンの増加に反比例して今ではほとんど見かけることはなくなった。
グリーフシードは使わなければならないのに、その供給源が絶たれてしまっては元も子もない。
早くても二週間後には、この見滝原に巨大な『壁』が設置され、『壁』の外側に出ることはできなくなる。
僅かに生存している非感染の人間も、次々に見滝原を去って行った。
わたしたち魔法少女もまた、決断を迫られていた――
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