11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:05:14.38 ID:MQWg0cbmo
一度行動を共にすると、不思議な事にやけに気になってしまうもので。
あの子と別れた後も、頭の片隅にずっと引っかかっていた。
気付けば放課後になっていたようで、僕は急いで部活へと向かう。
急ぐ理由もないのに、急ぐ。
「後ろ、遅れてるぞー!もっと走れー!」
先輩の怒号に、周囲の速度が速まる中で僕は一人取り残された。
決して力を抜いているわけじゃない。
酸素をいくら取り込んでも苦しいし、喉が血の味でいっぱいだ。
ここで走り続けられれば、体力が付いてきて、今度は同じ距離で疲れなくなって……
何度も何度も頭で繰り返しても、僕の足は止まってしまうのだ。
「……」
そんな僕を見て、先輩は何も言わない。
周りもまるで僕なんていないかのように、2周、3周と僕を追い抜いて行く。
……気分、悪い……んで……かえ、ります……
朦朧とする意識の中で先輩にそう告げると、グラウンドを後にする。
追ってくる足音も、呼び止める声もしなかった。
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