12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:11:21.40 ID:MQWg0cbmo
血の味を嘔吐で全部吐き出すと、僕は第二体育館の日陰に座り込んだ。
第一体育館じゃないのは、もちろん見つからないようにするためだ。
別に僕を見つけようとする人なんていないのにもかかわらず、だけれど。
「……先輩、やっぱりここにいました」
濡れていたはずのタオルを頭からどけると、視線の先にあの子がいた。
少し肩が上下している所を見ると、走ってきたのだろうか?
「……隣、いいですか?」
少し首を傾けてそう聞くその子の言葉に、僕は言葉を返さなかった。
苦しかった、からじゃない。返したくなかった、わけじゃない。
どう返していいか、分からなかった。
「……失礼します」
そんな僕の隣に、ちょこんとその子が座る。
僕は部活に所属する中では背の低い方だが、その僕よりもちょこんと言った感じで。
この子は、一体こんな僕のどこが好きなのだろう。
聞いてみたかったけど、聞きたくなかった。
それを聞くことで……自分が何を求められているかなんて、知りたくなかった。
44Res/22.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。