22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:35:29.66 ID:gLkbd9Kt0
「大丈夫?」
「多分……」
「初めてでこんなに心をとられたら仕方ないわ」
「あの、心をとるとかってどういう……」
「それはまた今度」
緋月先輩はそう言ってウインクすると、私を壁ぎわに立たせて階段を上りはじめた。
もう何が起こってもいいや、という気持ちでそんな先輩の後ろ姿をうつろに見つめる。
先輩は、かぎのかかったとびらの前に立つと、右手を前に差し出した。ノブを握るのかと思ったら違ったようで、その手前で手を止める。何をしているんだろう。
「夏風さん」
「はい……?」
緋月先輩はそのままのかっこうでこちらの方を向くと、笑った。あのぞっとするような笑みじゃなく、子どものようなあどけなさが残る笑顔。
「ごめん、私にも抑えられないかも知れない」
「え?」
そのとたん、黒々とした何かが緋月先輩のてのひらからあふれ出た。
緋月先輩は右手首を抑え、たえている。
「何、これ……」
そのままだんだん闇がこくなってくる。どこからか何かの割れる音がした。
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