30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:40:51.30 ID:gLkbd9Kt0
「ヤッホー、黒鳥さんっ」
シズ子さんが楽しそうに鳥に声をかけている。私は鳥につかまっていることが精いっぱいで、目を開けることさえできない。
となりでまた間のびした声が聞こえた。
「あっらーん。もうリコリスの人達来ちゃってるー、でも自業自とくよねえ、しーちゃんったらもうー」
わずかに目を開け下方を見ると、機械的な動きの男二人と緋月先輩が対じしているのが見えた。
先輩は二人に向かってかげだし、体当たりしている。いや、違う。手だ。腰をなぐると先輩の手にまとっていた青い光が男を包む。そして最後にもう一発とでも言うように、その長い足でけりとばした。
それがもう片方の男にも当たって共倒れになる。
すごい。あれが彼女の言う能力(ちから)なのか。
「やっぱりまだまだねえ。伸びがない、キレがない」
ふいに鳥が落下し始めた。
「え、ちょ、え……!」
「はやせちゃん、しっかりつかまっといて!黒鳥さんって何も言わずに急停止<急降下と言いたかったのか>しちゃうのよね」
何も言わずにって鳥はしゃべらないんだから当たり前じゃ。
そう思いながらも口には出せない。すごいスピード。つかまることすらもう困難な状態だ。
鳥は降下する時が一番スピードが早い<速い>と聞くけれど、この鳥は一体何キロ出しているというのだろう。
息をつくこともできない。突然視界が暗くなった。森だ。高い木々ばかりのある森。
67Res/61.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。