37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:45:31.10 ID:gLkbd9Kt0
「は、はあ……」
「アタシの能力は“影”。影をあやつることができる能力なの。できるだけ代償を少なくしようと思うとこのローブをかぶって能力を使わなくちゃならない。これはアタシの場合なんだけど。だからうっとしいと思うけどごめんね?ちなみに黒鳥さんの能力は」
「情けないけど変身(チェンジ)だ。しかも、名前のとおり黒い鳥にしかなれないんだ。能力者っていうのはいくつも能力を持っている人もいるけど僕は朽人だからね」
シズ子さんの言葉を半ば強いんに引き次ぎ、彼女の攻げきから立ち直った黒鳥さんはメガネを直しながら言った。
「はやせちゃん」
「はい」
突然シズ子さんが真面目な顔になり私の名前を呼んだ。その様子に私はあわてて思わず気をつけの姿勢をとった。
「アタシ達も出来るかぎりのことはする。何も心配しなくていいよ。いきなりこんな話しても信じられないだろうし、怖いかも知れないけど、大丈夫だから。だから、よく聞いて――」
シズ子さんの言葉を思い返す。すっかり日が暮れてしまい、私はすっかり家に帰る気も失せてしまった。
それにあんな話を聞かされた後だ。とてもじゃないが、普通の顔をしているなんて無理に決まってる。そういえば午後の授業にも出られなかったな。緋月先輩はあの後どうしたのだろう。
そんなことを考えながら家の近くの公園のベンチに座った。携帯を取り出そうとしてカバンを持っていないことに気付いた。
そうだ、あの後鳥になった黒鳥さんに神厳山のふもとまで送ってもらい下りてきて……。学校に戻っていないし、教室にカバンが置きっぱなしのはずだ。
ずっと今日のことを考えていて、そのことすら気付かなかった。
誰か持って帰ってきてくれてたらいいけど……と思いながらベンチの背にもたれる。星がチラチラ瞬いている。
さくらは反対方向だし、持って帰ってきてくれないよね。
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