54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 12:23:57.39 ID:OgwWFaEW0
「……のせいなんでしょっ!……は……、……なのにっ!、……いに、絶対に先輩がはやせに……!」
目が覚めると一番に聞こえてきたのは怒鳴り声だった。所々よく聞こえないが、まちがいなくさくらの声だ。さくらは特徴的な声をしているのですぐにわかる。
私はボンヤリとした頭でその声を聞いていた。久しぶりの本気で怒ったさくらの声。彼女が本気で怒った所は保育園からの付き合いの中でも二回しかない。いづれ<いずれの間違い>も私のために、だ。さくらが自分のことで怒ることは見たことがない。
……あれ?でもあれはいつ、何でだったのだろう。
さくらの怒りの原因を思い出そうとして私ははて、と首をかしげた。
思い出せない。おかしいな。
私は身を起こすと額に手をやった。
クリーム色のカーテンの向こうでは今尚さくらが誰かに叫んでいる。
「せっかくはやせ、あの子が消えてから普通になったのに……!」
ドクン
あの子が消えてから?普通?さくら、何言ってるの。
「ちゃんと私たちに接してくれるようになったし、ご両親が……!」
「もうその辺にしたら?夏風さん、目を覚ましてるみたいよ」
ドクン
何?私の親が何?
そうたずねたいのに、声が出なかった。さくらの声にかぶさって聞こえたのは緋月先輩の声で。
緋月先輩のあまりに冷たい声に、見なくてもさくらがびくっと身体をすくませたのがわかった。
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