31:1[saga]
2013/12/08(日) 09:49:42.18 ID:OWwQizcX0
・ ・ ・ ・ ・
春香と別れてから数分もしないうちに目的地に着いた。
やはり、こんな季節にここに来る人は少ないのだろう、人っ子一人居やしない。
32:1[saga]
2013/12/08(日) 09:50:13.50 ID:OWwQizcX0
何十段にも重ねられた、打ちっぱなしのコンクリートで出来た階段をコツコツと登っていく。
もうここまで来たら、足に溜まった疲労感も頭の中から消えていた。
一段、また一段と登っていく度に、心臓がドクドクと波打つ。
この私が緊張だなんて、らしくないわね。 なんて虚言を心の内で吐いてみる。
33:1[saga]
2013/12/08(日) 09:50:46.79 ID:OWwQizcX0
「………………久しぶりね」
34:1[saga]
2013/12/08(日) 09:51:14.09 ID:OWwQizcX0
そう、"アイツ"、もとい765プロダクションプロデューサーの彼は、既にこの世を旅立っていた。
35:1[saga]
2013/12/08(日) 09:51:46.83 ID:OWwQizcX0
「やっと、会いに来れたわ。 踏ん切りがついたってヤツかしらね」
「アンタも、この私に会えなくて寂しかったんじゃないの?」
36:1[saga]
2013/12/08(日) 09:52:21.34 ID:OWwQizcX0
「いつかのアンタみたいに、バカ正直に下げなくても良い頭下げたりするヤツや」
37:1[saga]
2013/12/08(日) 09:53:06.10 ID:OWwQizcX0
「辺りを見回したら、様々な所に散らばってたの、アンタの欠けらが。 いいえ、多分私が見ようとしなかっただけなのかも」
38:1[saga]
2013/12/08(日) 09:53:32.32 ID:OWwQizcX0
「………………今日は、これだけ。 これだけ、言いに来たの」
39:1[saga]
2013/12/08(日) 09:54:08.81 ID:OWwQizcX0
そんな事を考えていたら、いつの間にか既に墓地を抜けて路地に出ていた。
足の疲れも思い出したかのようにどっと圧し掛かってくる。
この疲弊感を抱いたまま、来た道を戻るという面倒くささにも押しつぶされそうだ。
40:1[saga]
2013/12/08(日) 09:54:49.06 ID:OWwQizcX0
41:1[saga]
2013/12/08(日) 09:55:15.64 ID:OWwQizcX0
行きに寄った。 あの花屋で見つけた花の苗を買って帰ろう。
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