104: ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2013/12/23(月) 12:58:26.17 ID:1FdDLW+Co
〜 幸福の国 郊外 某所 〜
「雨の、匂い、が、しない……今日、は晴れて、いるか?」
いや、曇りだ。相変わらず寒いな。
「川の、せせらぎ、が、聴こ、える。美しい、流れ、なのだろう、な?」
いや、ドブ川だ。今日も順調に身体に良くない色だ。
「そう、か……子供の、声、が、聴こえる。民は、息災か?」
そうだな。
「そう……か」
ああ、それだけは確かなようだ。今日晩、枕元に置かれるプレゼントを気にしているのだろう。どいつもこいつも浮かれた様子で家路を急いでいる。
「なに、より……だ」
この距離でも聴こえるのか?ガキどもは随分遠くだぞ?
「なに、せ、耳、ばかり、敏感な、ものでな」
こっちに来たらどうだ?多少は気分も変わるのではないか?
「馬鹿を、言う、な……もう私、には」
…………
「なにも、見えぬ、のだ」
すまない。
「……クフフッ」
何故笑う。
「殊勝、なことも、あるものだ……貴様が、私に、詫びる、とはな」
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