127: ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2013/12/24(火) 20:53:36.59 ID:dUpbE7GLo
『父の部屋』
今、思い返すと、ヒントは色々なところにあった。
・・・・・・・・・ ・ ・ ・
「そうね、つまり観測されなければその限りではない、チョコレートの箱は、開けてみてチョコレートを認めることで、初めてチョコレートの箱になるのよ」
「そしてその第三者が正気かどうかだって、またそれを観測する第三者がいなければ成立しない、以下堂々巡り、つまり誰も証明し得ない、それくらい『私達は』『私達の世界』曖昧だと思うのよ」
・・・・・・・・・ ・ ・ ・
仮に自分が幻覚を見ていたとして、それを誰が判断しようと言うのか。それを言ったのは他ならない自分ではないか。
しかし、ヒントはどこにでもあったのだ。どこかで聴いた事のあるような話の内容。通常ではありえない会話の流れ。今は既に消失した男の、『判を押したような』台詞回し。
皮肉にも、父の暴力による痛みは、その幻覚から現実へと引き戻した。
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