22: ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2013/12/12(木) 01:44:12.15 ID:SBBNHISt0
その通りだ
その国で大公家は、王家が政務につけない緊急時、国を執政する役目があった
順当で言えば花嫁候補は大公家から選出されるのが妥当だ
しかし大公家からしてみればそんな事をする必要がない。王子が暗殺されるのを待っていれば国が丸々手に入るからな。
その甘い汁をすすろうと、かなりの数の貴族連中が大公を支持した
「しかし、そこで現れたのが」
王家に反目する貴族派の不忠を許さず、その身を省みず表舞台に飛び出た『真の大公子女』
まあ王党派の連中は一にも二にも無く飛びついた
後は早いものだった
切れ者の彼女は、世継ぎの花嫁として、権力と弁舌と美貌を遺憾なく振るい、大公一家は皆殺しだ、他の貴族派もな
「うーん、腑に落ちないわね」
なにが?
「色々あるけれど、例えばね、大公子女として現れたといっても、『騙りだー』とか『偽者だー』とか言われて難癖付けられたりしなかったの?」
ああ、それについてはな、意外な事でカタが付いた
「なにかしら?」
靴だ
「靴?」
ああ、大公家だからな、靴も特注だったわけだが、その足型が御用達の靴屋に残っていたんだ。ソレが証拠になった。
彼女は極端に足が小さかったからな。同年代で同じ靴を履ける人間はいないだろう
「まるでシンデレラね」
随分と血なまぐさいシンデレラだな
「そうでもないと思うわ」
ほう?その心は?
「シンデレラの話は国によって色々バリエーション豊かだけれど、共通している点があるの」
なんだろうか?
「意地悪な女性の存在、王家の嫁探し、靴合わせ、そして王侯貴族の不明瞭さ」
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