6: ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2013/12/08(日) 23:13:10.19 ID:plqfGK6d0
・・・・・・・・・ ・ ・ ・
「お客さん、ご注文は?」
店主のお勧めでいいよ。適当に頼む
街の雰囲気とは違ってここは随分と賑やかだな?
「ええ。あの演奏家……って言っていいんですかね?やっこさんのお陰で随分なもんでさ」
あれはこの街の者じゃないんだろう?
「ですね。この街にいる者には、あんな風にその日暮しな生活をする勇気は無いですよ」
結構悪し様に言うんだな?
「まあねえ。こうして店構えて安定した暮らしが私には性にあってます。それに街のヤツらだって。とりあえず、なんかしらの仕事についてりゃ食いッぱぐれることはないんだから、ああいった芸人みたいな暮らしは理解できませんよ」
そういう割には楽しそうだな、店主
「まあ、ああいった『自由』って言うんですか?憧れはしますからねぇ。本人は楽しそうですからこっちまで楽しくなるってモンです。けどねぇ……やっこさんの収入じゃこの冬も厳しいでしょうが」
……違いない
うるっせーんだよ!!止めろ下手糞がッ!!
「あーあ……まただよ」
あれは……労働者か
「昼から夜までジャンジャンやかましいんだよ!祭りじゃあるまいし!仕事しろよ、遊び人がぁ!!」
「私の演奏がお気に召さなかったらすみません!どうか暴力はおよしになってください!」
「気に召さねぇのはテメェだよ!!こっちは働いて社会に貢献してんのに、こんな遊びで金儲けしようとしやがって!いいご身分だなぁ、あぁ!?」
「……皆さんは『遊ばない』のですか?」
「……あぁ?」
「生きるために『働く』ことは確かに必要なことです。私だってこんな拙い演奏で御代を頂戴している身分ですからそれはわかります。でもこうして身を立てているのは、私は『楽しんで生きたいから』です。それは悪いことですか?」
「……」
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