過去ログ - 日向「信じて送り出した七海が」狛枝「2スレ目かな」
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 04:56:43.53 ID:peHDovB80
涙ながらに訴えてくる鷹城雪美(女子九番)を前に、上野原咲良(女子二番)はどうするべきなのかわからなくなった。
まず、雪美とはそこまで親しい間柄ではない。
雪美はクラスの中でも大人しい女子のグループに属し、クラスの中心で盛り上がる城ヶ崎麗(男子十番)といつも行動を共にしている咲良には滅多に近付いてこない。
学校行事での様子から見て、雪美は目立って騒ぐことがあまり好きではないのだろうな、という印象を持っていた。
用事があれば普通に会話をするが、取り立てて用事のない時には関わることが滅多にない、それが雪美と咲良の距離だった。
そんな咲良に、どうして雪美は助けを求めるのか。
そして、雪美は先程自分たちに襲い掛かってきた松栄錬(男子九番)と湯浅季莉(女子二十番)と同じ班だったはずだ。
それに、忘れもしないプログラム開始直後の銃声――雪美たちの班と麗たちの班以外がまだ教室にいたことから、あの銃声に雪美たちが関わっている可能性は非常に高く、それは雪美たちが麗たちを襲った可能性も高いことを示している。
麗はプログラムに乗らないことを宣言していたし、同じ班の木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)が麗の意思に背くこともクラスメイトを自ら傷付けようとすることもとても考えられない。
戦う意思のない麗たちをおそらく襲っておきながら、今どうして泣いて助けを請うているのか。
「ふざけるなよ、鷹城」
隣から低く唸るようなベースボイスが聞こえ、咲良は顔をそちらに向けた。
真壁瑠衣斗(男子十六番)がいつになく鋭い目で雪美を見据え、手に携えていたボウガンを雪美に向けていた。
池ノ坊奨(男子四番)も小さな目を見開いて瑠衣斗を見ていた。
「瑠衣斗くん…っ」
よくわからないけれど助けを求めているクラスメイトに対して武器を向けるだなんて信じられず、咲良は瑠衣斗の袖を掴んだが、瑠衣斗に振り払われた。
「わかってるだろ、上野原。
鷹城の班は、プログラムに乗らないと言った城ヶ崎たちを襲ったかもしれない。
それは仮定の話だとしても、鷹城の班の湯浅と松栄が僕らを襲ったのは事実だ。
僕らを襲っておきながら『助けて』?
そんな悪ふざけが通用するとでも思ってるわけ?」
瑠衣斗の言葉に、咲良は何も返すことができなかった。
咲良自身感じている疑問と同じことを瑠衣斗が口にしていたので。
「ひ…酷いわ…真壁くん…!!
悪ふざけだなんて…そんな…!!」
雪美は垂れ目がちの瞳からぼろぼろと涙を零しながら、その場にへたり込んだ。
ボウガンの矢先を向けられながら、雪美は身体を小刻みに震わせて小さく首を横に振った。
「あ、あたし…違うの…あたしは何もしてないの…!!
城ヶ崎くんたちにだって会ってないわ…!!
あたし、こんな…プログラムなんて…怖くて…やりたくなんかなくて…
でもみんな…賢吾も季莉ちゃんも松栄くんも『死にたくない』って…それで…」
雪美はしゃくり上げながら、泣き腫らした目を咲良たちに向けた。
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