過去ログ - 日向「信じて送り出した七海が」狛枝「2スレ目かな」
1- 20
983:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 04:57:11.57 ID:peHDovB80
プログラムという絶望的な状況下において咲良が自分を保っていられるのは、今傍にいる奨や瑠衣斗、自分たちを逃がしてくれた高須撫子(女子十番)が味方として傍にいてくれることが大きい。
それなのに、雪美は本来傍にいてくれるべき仲間たちに敵意を向けられたという。
それはどれ程の絶望か。
もしも、咲良が今の雪美のように誰も頼ることができない状況で命を狙われているとしたら――考えただけで怖くてたまらない。

咲良の脳裏に蘇るのは、明け方に内藤恒祐(男子十二番)・林崎洋海(男子二十番)・如月梨杏(女子四番)・星崎かれん(女子十六番)に襲われた時の光景。
リーダーの梨杏が死亡したことにより、3人の首輪から警告音が発せられた。
恒祐とかれんが死への恐怖に慄き、助けを求めてきたけれども、咲良にはどうすることもできず、死にゆく様をただ見ていることしかできなかった。
恐怖からかれんを突き離し、恒祐が差し伸べてきた手も撫子が踏みつけた。
恒祐が掴んできた時の感触は、今も咲良の足首に残っている。

あの時は、クラスメイトなのに、見殺しにすることしかできなかった。
もう、誰かを見殺しにするだなんて、絶対にしたくない。

瑠衣斗の制止を振り切り、咲良は雪美の前にしゃがんで視線の高さを合わせ、雪美の肩に手を置いて微笑んだ。

「怖かったね、雪美ちゃん…
 大丈夫、『誰も頼れない』なんて言わないで。
 班なんて関係ない、あたしたちはクラスの仲間だもん。
 あたしが、雪美ちゃんを護るから」

「あ…ありがとう…上野原さん…!!」

雪美は涙を拭いながら小さく笑んだ。
瑠衣斗が何か言いたげな視線を咲良に送っている――瑠衣斗はまだ雪美のことを怪しいと思っているのだろう。
けれど、こんなに泣きじゃくっているのに、嘘だなんて思えない。

「…うーん…みんな、話せばわかってくれないかなぁ…
 雪美ちゃん、榊原くんのことは下の名前で呼んでるってことは仲良しなんだよね?
 季莉ちゃんとも話してるところ何度も見たことあるし。
 こんなことやっちゃダメだってわかってもらって仲直りするのが一番良いよね」

後ろで大きな溜息が聞こえ、咲良は振り返った。
瑠衣斗が頭を抱え、眉間に皺を寄せていた。

「…瑠衣斗くん、あたしのこと、呆れてる?」

「まあね。
 本当に君は…人が良いというか何というか。
 松栄と湯浅に襲われて、鷹城の言葉を信じるなら榊原は拳銃を持ってて…
 それでもまだどうにかできるって思ってるあたりがおめでたいな、と思ってるよ」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/525.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice