過去ログ - 日向「信じて送り出した七海が」狛枝「2スレ目かな」
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:05:36.06 ID:peHDovB80
明るい髪色、離れた場所にある体の両手首にはリストバンド、ブラウンを基調としたチェック柄のズボンは膝のあたりまで捲りあげられている――この派手な容姿は内藤恒祐(男子十二番)に違いない。
更に目を凝らすと、恒祐より更に明るい色のセミロングヘアが生える頭部――女子でここまで明るい髪色をしていたのは星崎かれん(女子十六番)だけだ。
少し離れた場所には恒祐やかれんに比べればはるかに大きな体が横たわっていた、こちらはクラス一の長身を持つ林崎洋海(男子二十番)か。
そして唯一頭と体が離れ離れになっていない亡骸は、黒髪のストレートヘアーと眼鏡から如月梨杏(女子四番)だと判別できた。
この4人は確か最初の放送で名前を呼ばれ、ライド(担当教官)が『リーダーの如月さんの死亡によって残りのメンバーの首輪が爆発した』と言っていた。
よく見ると、梨杏の頭にはアンテナのようなものが突き刺さっていた。
どうやらこれが梨杏の死因で、梨杏の死により他の3人の首輪が爆発したようだ。
ぞっとした。
たまたまこれは梨杏の班で起こったことだが、この惨状が利央たちの迎える結末だという可能性だって十分にあるのだ。
改めてリーダーである自分が遼子と未久の命を背負っている、という意味の重さを知り、責任の重さに息を呑んだ。
とにかく、一刻も早くここを離れなければならない。
亡くなった梨杏たちには申し訳ないがこんな場所にはとても居続けられないし、遼子と未久が大きな悲鳴を上げたので、誰かに聞こえているかもしれない。
「蓮井、阪本…ここから離れよう、立てるか?」
「こ…腰が抜けて…足が震えて立てない…」
未久が上ずり震える声で訴え、遼子も小さく何度か頷いた。
これまで親しくしてこなかったクラスメイトの女の子の身体に触れるのはとても申し訳ないし、正直思春期を迎えた男子中学生としては恥ずかしくてたまらないのだが、いつまでもここに座らせているわけにもいかない。
ミニウージーのストラップを肩に掛けてから、「悪い、抱える」と詫びを入れ、先に小柄な遼子を脇の下に腕を通して抱え上げ、まるで抱き締めているような体勢になりながら茂みの外へと引きずり出した。
服の上からとはいえ自分とは違う柔らかい感触とどこか甘い香りがすることに柄でもなく照れながら、同じように未久も外へと引っ張った。
ほんの少しだけ嫌な臭いから解放されたが、惨状が目に焼き付いて離れない。
早くここを離れなければならないのだが、遼子も未久も腰を抜かしている状況ではすぐに移動することができない。
幾ら何でも、利央が2人を抱えて移動することなどできるわけがない。
どうするべきか――考え始めた利央の耳が、足音が近付いてくるのを捉えた。
まずい…
殺意を持って獲物を見つけたという考えで近付いてきているのなら、やるしかない…
利央は再びミニウージーを両手に持ち、足音が聞こえる方向へ向けた。
死なないためにはいつかは撃たなければいけない、頭の中ではわかっていても初めて撃たなければならないかもしれない状況に心臓が大きく脈打っていた。
殺らなければ、殺られてしまう。
アキヒロ(軍人)が教室で放った言葉が重く圧し掛かる。
万一自分が殺されてしまえば、遼子と未久をも殺してしまうことにならないのだから。
「おい、誰かいるのか!?」
声が聞こえ、近付いてきた足音が緩やかになり、そして止まった。
利央は大きく目を見開いた。
引き金に掛かりかけていた指の力が自然と抜け、ミニウージーを下ろした。
「芳野…芳野じゃねーか!!」
「城ヶ崎…」
目の前に現れたのは、生まれながらの明るい色の髪と白皙の肌、その中で光る赤みの強い瞳――利央の“好敵手”、城ヶ崎麗だった。
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