20: ◆Xh.MVoNL.A[sage saga]
2013/12/10(火) 06:08:45.85 ID:ewdYN1oo0
文香「…………」ザクッザクッ
……最初にこみあげてきたのは、不安だった
その図書館は、私の実家の隣町の、ずっと端っこあたりにあるということも思い出していた
10年も前の色褪せた記憶を頼りに、隣町までバスで行き、山々に繋がる林道を歩いた
コンクリートで舗装された道路をしばらく歩き……いつか来た、整備された砂利道に入ったはずだ
なのに、目の前に広がるのは草、草、草……
まるで10年間、私が来なかったことで誰も寄り付かなくなってしまったかのように
目の前のかつての小道は荒れ果てていた
それでも、私は図書館に行くために……
『ユキトくん』の面影を追うために……
道なき道を、いつか来たはずなのに初めて通る道を、この細い腕で切り開きながら歩いていった
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