過去ログ - 勇者「百年ずっと、待ってたよ」
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7: ◆TRhdaykzHI[saga]
2013/12/11(水) 03:28:28.24 ID:W1tAHp8so



あの日青空の下、勇者と二人で旅立ってから色々なことがありました。

いま私の目の前に広がる空は、血を零したような緋色に染まっています。

本当の血の色はもっとどす黒いけども。比喩表現です。

旅に出る前漠然と村の外に憧れを抱いていた昔の私はそんなことも知りませんでした。

でも後悔はしていません。私が選んだ道です。

私が勇者を守りたかったからただそうしただけです。


あ。いま勇者は隣でうたたねしています。

海を見ながら真っ白い砂の浜辺でこの手紙を私は書いていたのですが、ぼんやり海面を見つめていた勇者は

ふと気がつくと木にもたれかかりながら目をつぶっていました。

最近夜眠れないことが多いようなので、きっと波の音に眠気を誘われたのでしょう。

勇者の寝顔はちょっと幼く見えます。(気にしてるみたいなので言いませんが)

もう辺りが暗くなってきているからそろそろ起こさないとな。

というわけでこの手紙もここで終わりにしようと思います。


五通目の手紙は、私たちが魔王を倒してから。

それではさようなら。

あなたの毎日がこれからも幸福に満ちたものでありますように。


               愛をこめて    Nina 』






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