過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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19: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:53:36.45 ID:3XmGIBxHo

 正確に言えば上履きで足を踏んだので、ぶん殴るぞではなく、踏みにじるぞが正解だったかも知れない。
 まぁそんなのはどちらでもいいけれど。

「痛ぁい」

 不服そうに地団駄を踏む馬鹿を無視して、出来上がった日替わり定食の盆を持ち、手頃な席に座ろうとする。

「待ってやぁ、もー」

 待つ義理はない。奢ってはやったが、一緒に食べるとは言っていない。
 それを言ったら、そもそも奢るのも別に事前に言ったわけではなかったか。というか、まだこいつには一度も話していない。

「あー、なんで一人しか座れんとこなんー? うちどこで食べればええねんー」

 探せば空いている席くらいあるだろう。

「いーやーや、一緒に食べんねんー」

 子供か。
 むくれるナース服を無視して、さっさと席に着く。
 海老フライが食べたかったのだ。こいつに構ってる暇はない。
 ソースをかけて一口ほお張る。学食の特性上、全てが揚げたてと言うわけではないだろうけれど、運よく揚げて時間があまりたっていないものだった。おかげでさくりとした食感が味わえた。

「……むー」

 そんな私を見て、小さく唸りながら、やがて何を考えたのか。
 突然その場に正座した。
 二口目を食べようとしていた私も、私の周りの数人も、思わずぽかんとしてしまう。

「そんならうちここで食べる。床で食べる!」

 な、に?

「もこちゃんが意地悪すんなら、うちかて負けへんでー!」

 いや、別段意地悪をしたわけではないけれど。空いてる席を探せとは言ったが。

「ほんならいただきますぅ」

 正座の状態から身を前に出し、両膝と左手を地面につけながら、残った右手で箸を持つ。組体操の馬のような形だ。
 そしてそのまま、ふーふーと麺に息を吹きかける。そんなナース服。

 なんだこの光景。

 ……なんだこの光景。


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