過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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20: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:54:14.78 ID:3XmGIBxHo
 ほどなくして。

 この光景から最も早く我に帰った別の生徒が、「良かったらこの席どうぞ」とナース服に声をかけ、ようやく事態は一端の収拾を見せた。と思う。
 どうせなら放っておいてほしかった。そして埃でも食べて地元に帰ってくれれば良かったのに。

 まだ若干普段とは違う微妙な空気が、私とナース服の半径数メートルを取り囲んでいるものの、気にしたところで始まらない。

 何が楽しいのかは分からないが、表情をほころばせながら、麺をゆっくりとすする。辛いのが苦手だと思っていたが、そう言うわけではないようだ。

「あぁ、うん。うち別に辛いのがあかん訳やないんやぁ」

 聞いてもいないのに、理由を言おうとする。
 止めるのも面倒なので、適当に喋らせておこう。話すのが好きそうなので、さながら校内放送か、もしくはファービーのように扱えばいい。

「ほら、うち、真っ白やんかぁ」

 頭がか?

「ちゃうわぁ、もぉ。服や服ぅ」

 分かってるよ。

「せやから、カレーはねたら、目立つやろ? だから、嫌やってん」

 そうだな。私も白い服の時にカレーうどんは食べたくない。
 だからこそ、良かれと思って買ったのだ。

「全然良くないわぁ、もぉ。どんな理屈やねんなぁ」

 お前が良くなるためじゃない。私が良くなるためだ。
 奢ったら帰れと言うつもりだったし、それ以前にカレーうどんの意味に気付いて帰れば尚更良いと思っただけだった。

 何が楽しくて、ひとりの時間を邪魔されなければならないのだ。
 


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