過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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40: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:06:07.45 ID:3XmGIBxHo

 ──夢の中にいる、とすぐに気付いた。

 夢とは記憶の整理だという話をどこかで聞いたことがある。あるいは、本で読んだ事がある。
 今まで体験したこと、経験したことを脳がパンクしないように、整理整頓しているとかなんとか。
 もしくは、無意識に感じ取ったことを、夢を通じて自分へ発信しているという話もある。

 だとすれば、今目の前に広がっている光景は紛れもなく過去の私のものであり、つまりはここは夢の中なのだ。


『ツモ、4,000オール』
『ロン、5,800は6,100』
『リーチ』


 振り返るまでもない。東海大会だ。
 振り返りたくはない、東海大会だ。
 いや、少し語弊があるか。
 この大会は、別段そこまで苦い記憶ではない。
 この大会自体は、別に私にとって嫌な経験ではないのだ。


 始まりといえば、始まりなのだけれど。


 夢の中の私の顔は見えない。私を私が、後ろから見ている。
 電灯も照明もない、周囲は一切暗闇に包まれて、足元さえ見えない。ちゃんとその場が地面についているのかも危うい。
 何せ夢の中なのだから、地面と言うものがなくても不思議ではない。
 そしてそんな真っ暗闇にも拘らず、卓と私以外の表情は何故か確認できるのだった。
 どれもこれも苦虫を噛み潰したような表情。
 まぁ、劣勢に立たされているのだから、そういう表情にもなるだろう。
 点棒は……分からない。ぼんやりとしていて、良く見えない。
 尤も、これが史実にのっとった夢ならば、三人の点棒のほとんどは私が抱えていることになるけれど。


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