過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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57: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/12(木) 01:44:54.11 ID:TxydbBJZo

 自分の学校、ましてやすぐ隣の教室で同じ学校の生徒が死んだという衝撃は、自分の教室に戻った時には既にクラス中に広まっていた。
 この様子だと少なくとも一年のクラス、下手をすると他の学年にもニュースとして広がっているかもしれない。

 さすがにすぐ隣で警察が捜査をしているのに、暢気にホームルームなんて出来ないのか、一年は皆体育館へ集まるように言われた。
 そしてその処置は概ね正しい。

 生徒で廊下がごった返しては、警察もそう捜査しづらいだろう。
 かといって、殺人であるにも拘らず生徒をあっさり帰すわけにもいかない。
 今この場においては、私たちは生徒であると同時に、いやそれ以上に、事件関係者──いや。
 平たく言えば、容疑者といえるのだから。

「対木」

 担任の男性教諭に呼び止められる。女子高の教師なんて、よほどの女好きか女嫌いでないと大変だろうに。なんだってこんな所に就職してしまったんだろう。
 格好こそスーツだが、大きく筋肉質な体躯に短く刈り揃えられた髪。
 ジャージに竹刀でも持たせた方がよほど絵になる面だ。
 とはいえ、昨今はやたらと体罰に厳しい時代である。
 竹刀なんてもってのほかで、頭を小突くだけで懲戒免職になりかねないこのご時勢に、そんないかにもな格好していたら、立っているだけでPTA会議コースだろう。

 全く、教師ほど割に合わない仕事もあるまい。

 体罰と教育の線引きを間違えると碌なことにはならない。
 体罰と虐待の線分けを間違えると碌なことにはならない。

 学校にナイフや拳銃を持ってきた生徒がお咎めなしで、それを叱った教師が処罰されるなんて、皮肉を通り越してもはや笑い話だ。


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