過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/13(金) 16:09:53.84 ID:1dwOiOSUo
「ディバイダー……って、なんや?」
主に設計や計測で使う器具だ。面倒なのでディバイダでもディバイダーでも、どっちでもいい。
コンパスの両端が針になっていて、描けない替わりに、計測に特化している。
地学部で、家の設計図も書きたいと言っていた委員長であれば、確実に持っているだろう。
「コンパス……あ、あぁ」
合点が言ったと言う表情だ。
「確かに、それならああいう傷にもなるし、長さも足りとる」
「でも、それで首を貫通するほど刺せるのか? 彼女は被害者より背が低く、力もなさそうだ」
口を挟んだのは若い方の刑事だ。
もうその問題は、半ば先ほどの説明で解決したと思うのだけれど、今一度説明するか。
「何も全部刺す必要はない。後頭部の傷」
若い刑事はそこで気がついた。
ナース服もやっと気がついた。
中年の刑事は、表情からするに、もうとっくに分かっているらしい。
最初に打撲痕について説明した時点で繋げていたのかもしれない。
「首にある程度刺さった状態で、被害者が後ろ向きに転倒する。そうすれば……」
あとは凶器が床に押され、勝手に喉を突き破る。
「……」
その瞬間を思い出したのだろうか。
口許に手を持っていく。
呼吸はとうに、荒れていた。
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