過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
1- 20
80: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/13(金) 16:09:53.84 ID:1dwOiOSUo

「ディバイダー……って、なんや?」

 主に設計や計測で使う器具だ。面倒なのでディバイダでもディバイダーでも、どっちでもいい。
 コンパスの両端が針になっていて、描けない替わりに、計測に特化している。

 地学部で、家の設計図も書きたいと言っていた委員長であれば、確実に持っているだろう。

「コンパス……あ、あぁ」

 合点が言ったと言う表情だ。

「確かに、それならああいう傷にもなるし、長さも足りとる」
「でも、それで首を貫通するほど刺せるのか? 彼女は被害者より背が低く、力もなさそうだ」

 口を挟んだのは若い方の刑事だ。
 もうその問題は、半ば先ほどの説明で解決したと思うのだけれど、今一度説明するか。

「何も全部刺す必要はない。後頭部の傷」

 若い刑事はそこで気がついた。
 ナース服もやっと気がついた。
 中年の刑事は、表情からするに、もうとっくに分かっているらしい。
 最初に打撲痕について説明した時点で繋げていたのかもしれない。

「首にある程度刺さった状態で、被害者が後ろ向きに転倒する。そうすれば……」

 あとは凶器が床に押され、勝手に喉を突き破る。

「……」

 その瞬間を思い出したのだろうか。
 口許に手を持っていく。
 呼吸はとうに、荒れていた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
118Res/117.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice