過去ログ - 戦刃「安価で苗木君を手に入れる」
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115:1 ◆7ml8fVnzpA[saga]
2013/12/12(木) 19:14:59.63 ID:sgBZB+mdo
戦刃「盾子ちゃん!」
江ノ島「んあー? なに、なんなの」
寄宿舎の江ノ島盾子の部屋へと、私は向かっていた。インターホンのボタンを連打し、眠気の覚めやらぬ顔をした彼女の手を取って部屋へと踏み入れる。
戦刃「妊娠検査薬の結果がでたの」
江ノ島「うん」
戦刃「陰性、だって」
私が結果を告げると、江ノ島は卓上の緑茶を啜った。この沈黙がどれだけの意味を含んでいたのかはともかく、彼女は大きく息を吸って口を開く。
江ノ島「お姉ちゃんは、この結果をどう受け取るの?」
戦刃「分からない。私が盾子ちゃんに錠剤を突き返した時も、自分が何を望んでいるのか、それが分からなかった」
戦刃「時間が経てば曇った気持も晴れて、自分の答えが見つかると思ってたけど、駄目だった。そういう意味では、陰性判定は良かったことなのかも」
再び私と彼女との間に沈黙が訪れた。深く重い静寂の只中、私はひたすらに彼女の言葉を待っていた。
江ノ島「そっか。こんなこと言いたくないけど、私も陰性で良かったと思ってる。人を育てるのって、そんな簡単なことじゃない筈だから」
慎重に言葉を選ぶその姿は彼女らしくなく、しかしどうしてか私を安心させた。
戦刃「盾子ちゃん、」
江ノ島「なに?」
戦刃「私、盾子ちゃんと姉妹で良かったと思ってる」
江ノ島「なに言ってんだいきなり」
私は彼女に満面の笑みを返して、部屋を後にするのだった。とは言え今日は日曜日、彼女以外との誰とも交流せずに一日を終えるのはどこかうら寂しい。たまには級友たちとの交流を図らねば、と私は思案する。
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